トイレの収納力を増やす簡単アイデア集【見せる収納・隠す収納】
トイレットペーパーや掃除道具、芳香剤、生理用品、子どものトイレグッズなど、トイレには人それぞれ必要な物や置いておきたい物があります。でも、トイレには収納スペースが少なくて困っている人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、これまで2000軒以上のお宅の暮らしの悩みを解決してきた“住まい方アドバイザー”の近藤典子さんに、トイレの収納スペースを増やすためのさまざまなアイデアを教えてもらいました。
インテリアスタイリスト プロフィール
近藤典子さん
プロフィール本文:30年にわたり暮らしの悩みを解決し、その経験から生みだされた掃除術や収納の考え方など住まい方提案が好評。メディアや講演会での活動、企業とのオリジナル収納ユニットなど商品開発、間取り監修等幅広く活躍中。著書は、累計部数400万部以上、仏語・中国語の翻訳本も多数。暮らしのプロを養成する「住まい方アドバイザー養成講座 第4期生(東京校・大阪校、2018年9月開講)」の受講生を募集中。
トイレの「背面」「側面」「正面」を収納スペースに
トイレはいつでも清潔感や快適さを保ちたい場所。ところが、狭かったり、収納スペースが少なかったりして、「物がうまく片づけられず、生活感が出てしまう」「掃除道具の出し入れが面倒」など、収納について悩まされることも。
収納術や掃除術のプロは、トイレの収納についてどのように考えているのでしょうか?
「トイレは、くつろぎやリラックスの場、健康管理の場、子どもに家庭のルールを教えるしつけの場、お客様のおもてなしの場…などというように、実はさまざまな役目を持つ、利用価値の高い場所です。そのお宅に暮らす人や家族ごとにトイレの役目は違いますが、目的によって置きたくなる物も増えていき、収納に悩むケースも多くなると言えますね。とはいえ大前提として、トイレは排泄という生活行為をするところ。無理なく毎日快適に過ごせるように、収納スペースを確保することが大切です」(近藤さん)
トイレの収納で困っている場合、新たな収納スペースはどのように作ればいいのでしょうか。
「トイレの空きスペースを『トイレの背面(タンクの上部)』『トイレの側面』『トイレの正面』の3つに分け、それぞれを利用しましょう。トイレに置きたい物の用途や、大きさ、重さに合わせてトイレのどこを収納スペースとして使えるか考えてみてください」(近藤さん)
「見せる物」と「隠す物」に分けて収納
トイレグッズの収納方法は、「置いておきたい物の内容」によって分類するのがおすすめだそう。
「トイレに置く物は、例えばトイレットペーパー、掃除道具、洗剤、タオル、芳香剤、生理用品、子どものトイレグッズなど、いろいろなアイテムが挙げられます。これらを『見せてもいい物』と『隠したい物』に分けて収納するとコンパクトなトイレでもすっきり見えます。その基準は人によって違いますが、それぞれに適した収納術や収納グッズを使うと良いでしょう」(近藤さん)
おしゃれに飾りたいなら見せる収納、なるべく人の目にふれないようにしたいなら隠す収納という考え方だと、自分流にアレンジしやすいですよね。
「また、収納術や収納グッズの使用だけでなく、リフォームで収納スペースを増やす方法もあります。収納グッズを使う場合は安く済みますが、自分でやらなければならないので苦手な人にとっては面倒ですし、トイレのスペースによっては制限があることも。リフォームの場合は、収納グッズに比べて費用はかかりますが、確実に収納スペースを安全に充実させることができます」(近藤さん)
「見せる収納」は取り出しやすくシンプルなのがメリット
見せる収納には、デザイン性の高いトイレットペーパーのケースや掃除道具、タオル、芳香剤、お客様のおもてなし用のアメニティ用品、子ども用のかわいいトイレグッズなどが挙げられます。見せる収納のメリットは、ワンアクションで物が取り出せるため、使用頻度の高いトイレットペーパーやタオルなどとの相性がよいことです。突っ張り棒やタオルハンガーを使い、なるべくシンプルに収納するのがコツです。
具体的なアイデアを近藤さんにお聞きしました。
「トイレタンクがある場合、側面に吸盤タイプのリング式タオルハンガーをつけると、スプレータイプのボトルをぶら下げて収納できます。洗剤や消臭剤などが取り出しやすいのでおすすめです。見せる収納にしたいならおしゃれなボトルに詰め替えるのも良いでしょう」(近藤さん)
「トイレの背面の壁に突っ張り棒を1本張れば、トイレットペーパーをディスプレイ感覚で並べるだけで手軽に収納できます。トイレットペーパー用のかわいいケースやカバーも売られていますが、布や不織布などで包むだけでも見せる収納としては十分です。また、突っ張り棚と突っ張り棒を組み合わせると、カゴや袋などを置いても安定感がありますよ」(近藤さん)
隠す収納は出し入れのしやすさを意識するのがポイント
隠したいアイテムは、トイレットペーパーのストック、デザイン性のない掃除道具や雑巾、便座カバー、生理用品など。隠しておきたいけれど使用頻度が高い物が多いので、簡単にしまえて、出し入れが楽な収納を意識することがポイントです。
具体的なアイデアを近藤さんにお聞きしました。
「突っ張り棒や突っ張り棚で収納スペースを作り、その前にカフェカーテンを下げれば、目隠しになります。突っ張り棒が落ちやすい壁の場合は、粘着フックやワイヤーネット、魚の目パッドなどを併用すれば、落ちにくくすることができますよ」(近藤さん)
「突っ張りネットに、結束バンドやS字フックでかわいいケースや袋をくくりつけると、
その中に、見られたくない物を収納できます」(近藤さん)
リフォームなら収納量が増えるだけでなく、すっきり空間に!
トイレリフォームで収納スペースを作るのもおすすめです。LIXILの「リフォレ」なら、シャープなシルエットの便器がキャビネットと一体化したデザインなので、いろいろな物をキャビネットにまとめて隠すことが可能です。給水管やコードもまとめて隠してあるので、トイレ空間がすっきりします。さらに収納を増やしたい方は、タンク上のデッドスペースを生かした「アッパーキャビネット」と組み合わせるのがおすすめです。
毎日使う場所だからこそ、収納を上手に増やして快適に!
トイレは毎日使いますし、お客様にも使ってもらう場所。だからこそ、快適に使うために手軽な収納術やアイデアで収納スペースが増やせるならうれしいですね。
また、トイレリフォームを行えば、さらに簡単に収納スペースを充実させることができるだけでなく、すっきりとしたトイレ空間に。トイレの収納に困っている場合は、ぜひリフォームも検討してみてください。